Maria Martinez

[ベルリン 27日 ロイター] - 独IFO経済研究所が27日発表した5月の業況指数は89.3で前月から変わらずだった。4カ月連続の改善を見込んだ市場予想(90.4)を下回った。今年の景気回復ペースは鈍いとみられている。

IFOの調査によると、企業は現在の景況にあまり満足していないが、見通しは改善した。

IFOによると、工業、貿易、建設業が回復する一方、サービス業は低調だった。

クレメンス・フュースト所長は「ドイツ経済は一歩ずつ危機を脱しつつある」と述べた。

第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前期比0.2%増だった。

調査責任者クラウス・ボールラーベ氏はロイターに、第2・四半期もプラス成長になる可能性があるとする一方で、回復は依然脆弱と指摘した。インフレ率は今年、低下基調と予想されているが、ボールラーベ氏によると、より多くの企業が向こう3カ月間に値上げしたい意向という。

INGのマクロ担当グローバルヘッド、カールステン・ブルゼスキー氏は「循環的な底入れが自動的に力強い回復につながらないことが浮き彫りになった」と指摘。

同氏によると、今後は経済成長の勢いが増す見通し。力強い賃金の伸びを背景に個人消費が慎重ながら回復し、在庫サイクルも段階的に好転し始めるという。ただ「こうした循環的な改善は全てが突然、最高の状況に戻ることは意味しない」としている。

コメルツバンクのチーフエコノミスト、イェルク・クレーマー氏は、第2・四半期のドイツ経済は停滞し、年央から国内総生産(GDP)の増加が始まるとの見方を示した。

ただ「上昇トレンドは緩やかなものになる可能性が高い。ドイツ政府が事業拠点としての長年の質の低下に断固たる措置を取っていないことが一因だ」と述べた。