初土俵から所要7場所という史上最速記録で初優勝を遂げた大の里。所属する二所ノ関部屋付きの中村親方(元関脇嘉風)は、取り口の強みを「右を差せば万全。右の腰の寄せ、膝の使い方がピカイチだ」と分析する。そのうえで、「角界入りして1年で『大の里ブランド』が確立された」として、すでに上位力士が、大の里の馬力を警戒するあまり、攻め急いで自滅する場面が見て取れると指摘する。

大の里は守勢に回ることが少ないため、けがもしにくく、さらに活躍していくのではないかと予想している。

伸びしろは大きい。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は、23歳の大の里にとって、この入門からの1年間は土台づくりの段階だったと説明する。

「年6場所で成績を残すための体づくりをしっかりやってきた。まだまだ基礎体力も技術的にも進化していかないといけない」

時折、体が伸び上がるような姿勢になる点については「大の里は現代的な体つき。そこは長所かもしれないし、身体的な特徴を生かせるように研究していかないと」と考えている。(宝田将志)