◇ナ・リーグ カブス―パドレス(2024年5月7日 シカゴ)

 カブスの今永昇太投手(30)が7日(日本時間8日)、本拠でのパドレス戦に今季7度目の先発。2002年石井一久(ドジャース)、2014年田中将大(ヤンキース、現楽天)に並ぶ、日本投手最長の開幕6連勝を狙い、7回まで4安打無失点、8奪三振と好投を見せた。チームは7回を1―0で終え、勝ち投手の権利を手にしている。

 初回は1死後に2番フェルナンド・タティスに今季5個目の四球を与えて走者を背負ったが、その後は冷静な投球。ジェーク・クロネンワースを左飛に打ち取ると、4番マニー・マチャドは93マイル(約149.6キロ)直球で空振り三振に仕留めた。

 2回は1死後に6番ドノバン・ソラノにこの試合初安打となる左前打を許したが、後続を打ち取ってこの回も無失点で切り抜けた。3回はこの試合初めて3者凡退に抑え、3回から4回にかけて3者連続三振を奪うなどテンポを取り戻した。

 この今永の好投が打線にも波及。4回には右肋骨骨折から復帰初戦のコディ・ベリンジャーが4回に先制ソロを放って援護。5回は2死後にこの試合2本目の安打を許したが、最後はカイル・ヒガシオカからこの日6個目の三振を奪うと、雄叫びをあげてマウンドを降りた。

 6回はこの試合最大のピンチが訪れた。1死後に連打を許し、一、二塁のピンチ。それでも4番マチャド、5番サンダー・ボガーツを連続三振に打ち取り、今永は再び雄叫び。ボガーツを追い込んでから総立ちとなっていたファンも大熱狂した。7回も打者3人で無失点に抑え、完全に試合を支配した。

 この試合の中継は田中将大のヤンキース時代の恩師でもあるジョー・ジラルディ氏。ここまで防御率0.78と抜群の安定感を見せている今永について「日本から来てすぐに成功を収めてとても驚いている。スプリットがいろんな落ち方をするのが興味深い。そして、フィニッシュの姿勢が好きだ」と好意的に評論。4回にマチャドをスプリットで三振に取った際には「(直前に投げた)直球が効果的だった」と分析した。

 メジャー1年目の今永は開幕から絶好調で、ここまで6試合に登板して負けなしの5連勝、防御率0・78。ここまで5勝はトップと1勝差のメジャー全体で3位タイだ。3、4月の月間最優秀新人にも選出された。

 この活躍ぶりに評価は米国でも急上昇で、大リーグ公式サイトの新人王模擬投票で1位に選出。各球団幹部によるアンケート「今オフ最高のFA契約」でも最多得票だった。