◇春季全道高校野球・根釧支部2回戦 別海10―6釧路湖陵(2024年5月8日 ウインドヒルひがし北海道)

 第63回春季全道高校野球大会釧根支部予選は8日 ウインドヒルひがし北海道で行われ、春甲子園に21世紀枠で初出場した別海は10―6で釧路湖陵を退け、初戦を突破した。

 選抜帰りの別海が打ち合いを制した。牛の数が人口の約8倍という酪農が盛んな町をイメージしたかのような“モ〜牛打線”が爆発。試合を決めたのは、2番・鎌田侑寿紀(ゆずき、2年)のひと振りだ。

 6―6で迎えた8回2死二、三塁。中越えに痛烈な打球を放ち、50メートル走6秒5の快足で駆け抜けた。勝ち越しのランニング3ランに「最近は(打撃の)調子が上がり、絶対に打てると自信を持って打席に入った。来た球に反応できた」と胸を張った。

 2点を追う3回にも、打線は打者10人攻撃で6安打5得点。左前適時打を放った4番・中道航太郎主将(3年)は「低反発(のバット)で長打が出にくくなり、何が何でも塁に出て、ヒットでつなぐ意識は強い」と語る。

 選抜では1回戦の創志学園(岡山)に0―7で敗れ、打線は散発4安打に終わった。打撃強化に取り組み、練習試合でも安打数が増え、この日は13安打10得点の成果を出した。守備面でも強い浜風の甲子園を想定した練習が実を結び、風速7メートル以上の強風でも無難に飛球を処理した。

 甲子園から帰道直後は積雪でグラウンドが使えず、練習試合を重ねた。迎えた春初戦。島影隆啓監督(42)は「完全な負け試合。よくぞ逆転してくれた」と目を細めた。甲子園の経験を財産に別海の快進撃は続く。(武田 政樹)