男子テニスツアー「ゴネ・ジュネーブ・オープン」(5月19日〜25日/スイス・ジュネーブ/クレーコート/ATP250)は現地25日にシングルス決勝を実施。第2シードで世界ランク7位のキャスパー・ルード(ノルウェー)が同44位のトマーシュ・マハーチュ(チェコ)を7-5、6-3のストレートで下し、同大会2年ぶり3度目の優勝を飾った。

 ジュネーブOPでは2021年、22年と連覇しているルード。しかし今大会に関しては頂点までの道のりは容易ではなかった。

 セバスチャン・オフナー(オーストリア/45位)との初戦(2回戦)、セバスチャン・バエス(アルゼンチン/20位)との準々決勝をいずれもフルセットで制すと、悪天候により24日、25日の2日間にかけて行なわれたフラビオ・コボリ(イタリア/56位)との準決勝ではマッチポイントをセーブして1-6、6-1、7-6(4)の逆転で勝利。その直後に行なわれたマハーチュとの決勝では体力面が心配された中で粘りのプレーを披露し、価値ある優勝をつかみ取った。

 準決勝で世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)から金星を挙げたマハーチュを相手に、ルードは第3ゲームでサービスダウン。以降は反撃の糸口を見出せず、マハーチュのサービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲームではセットポイントを握られてしまう。

 しかしここでマハーチュがダブルフォールトを犯すと流れは一変。そのまま起死回生のブレークバックに成功したルードが4-5のビハインドから3ゲームを連取し、接戦の末に第1セットを奪取する。
  これで流れをつかんだルードは得意のフォアハンドを起点に第2セットの第2ゲームで先にブレーク。このリードをしっかりと守り切り、1時間47分で試合を締めくくった。

 準決勝とのダブルヘッダーを制してツアー通算12勝目を手にしたルードは、試合後のインタビューで苦しかった第1セットを振り返り、「彼(マハーチュ)は間違いなく第1セットを獲得するに値したと思うが、テニスでは今日みたいな展開になることもある。リードしたからといって試合が決まるわけではない」とコメント。続けて今大会を総括しつつ、次のように喜びを語った。

「タフな1週間だった。どの試合も厳しかった。なかなか自分の思い通りにならず、天候もずっと良くなかったけど、今日の試合は素晴らしい出来だった。このジュネーブで再び優勝できてとてもうれしい。ここまでは非常に良いシーズンを送れている」

 ルードにとっては間もなく開幕する「全仏オープン」(5月26日〜6月9日/フランス・パリ/クレー)での四大大会初優勝に向けて、大いに弾みがつく結果となったことだろう。この勢いのままローランギャロスでも躍動感あふれるパフォーマンスを見せてほしい。

文●中村光佑

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