現地時間5月25日に行なわれたラ・リーガ最終節で、レアル・ソシエダはアトレティコ・マドリーに0-2で敗れ、総合成績16勝12分け10敗の6位(ヨーロッパリーグ出場権獲得)で今季を終了している。

 開始9分に左サイドを攻略され、クロスをファーサイドのサムエル・リノに詰められて早々に失点したホームのソシエダは、その後はチャンスとピンチの両方を迎えながらもスコアが動くことがないまま終盤を迎え、後半アディショナルタイムに再び左からのクロスを今度はヘイニウド・マンダバに決められてダメを押された。

 前節ベティス戦を90分間ベンチで過ごした久保建英は、2戦ぶりのスタメン入りでフル出場。61分には右タッチライン際から複数の相手選手を置き去りにしてドリブルで中央に切れ込み、惜しいシュートを放つなど、幾つか見せ場を創ったが、残念ながらチームの得点に結びつけることはできなかった。
  データ専門サイト『WhoScored.com』によれば、この試合でボールタッチ67回、シュート1回(枠内)、パス42回(成功33回)、キーパス1回、ドリブル7回(成功4回)、タックル1回(成功1回)、クリア2回、ファウル1回というスタッツを記録した背番号14。今季の最終成績は、リーグ30試合出場(公式戦41試合)・7得点4アシストとなっている。

 現地メディアの報道を見ると、マドリードのスポーツ紙『MARCA』は3点満点の採点で、好守連発のGKアレックス・レミロ、MFブライス・メンデスと並んでチーム最高の「2」を付与。同採点とした『AS』紙は、彼が前半にも相手DFを2人かわしてクロスを上げるなどの好プレーを見せたことを伝え、個別評価では以下のように綴った。

「最も攻撃的にインスピレーションを感じさせたラ・レアルの選手。ゴールライン付近でボールを持った際には、相手の守備陣はほとんど彼を止めることができなかった。もう少しで素晴らしいゴールを決めるところだった」 続いてバルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、久保の決定機を「中央からドリブルを開始し、見事なシュートを放った。しかし、GKヤン・オブラクが全力で手を伸ばし、CKに逃げた。ソシエダにとっては絶好のチャンスだった!」と報じ、この日本人選手を前後半の両方でチームのベストプレーヤーに選定している。

 また個別評価の記事では、「控えめだったシーズン後半戦を締めくくる良いプレーを披露。リノとセサル・アスピリクエタは彼を止める術を見つけられなかった。素晴らしいドリブルの後にアルセン・ザハリャンに素晴らしいクロスを送った他、3人の相手選手の間をすり抜けてから強烈なシュートを放った。アディショナルタイムの最後の瞬間まで攻撃し続けたが、オブラクの好セーブに遭うなどやや運がなかった」とポジティブに振り返り、彼のプレーを「刺激的」と表現した。

 一方の『SPORT』紙は、ソシエダが多くの時間でアトレティコに対して抵抗を試みていたことを強調する上で、「(後半途中の段階で)アトレティコは決して試合に勝ったとは言えなかった。なぜなら、ギプスコアのチームは十分な実力を有しており、久保がオブラクに試練を与える場面を作って警告を与えたからだ」と綴っている。
  ソシエダの地元バスクの日刊紙『noticias de Gipuzkoa』も、「久保がその日最高のプレーで沈滞した流れを打破し、正確で際どいシュートを放ったが、オブラクにセーブされた」とドリブルシュートに言及し、10点満点の採点ではレミロ(7)に次ぐチーム2番目タイの「6」を与え、以下のように彼の90分間を評した。

「ソシエダで最も危険だった選手。アジアカップ後にチームに復帰してからパフォーマンスが低下したのは確かだが、彼は常に挑戦を続けている。一部の人間は、彼を個人主義的だと非難するが、チームは彼のドリブルを評価している。良い突破と、その日の最高のプレーを披露。オブラクに素晴らしいシュートをセーブされた。この試合でも、いつものように非常に激しいプレッシャーを受けた」

 最後に、サッカー専門サイト『EL DESMARQUE』は、「スタメンに復帰し、幾つか相手にとって危険な場面を創り出したが、アジアカップ前の爆発的なプレーを見せることはなかった。シーズンが長く感じられたことだろう」と、寸評にはネガティブな記述も見られ、採点はチーム2番目タイの「6」となっている。

構成●THE DIGEST編集部

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