逃した同点のチャンス

8日(現地時間)、バイエルン・ミュンヘンはレアル・マドリードとのUEFAチャンピオンズリーグ準決勝2ndレグに臨み、1-2で敗れた。バイエルンの関係者たちは、この試合の最終盤での主審の判定が重大な誤審であると激しく批判している。

問題の場面は、バイエルンが1点を追う後半アディショナルタイム13分に起きた。ヨシュア・キミッヒがセンターサークル付近から前線に浮き球のパスを供給し、このボールにマタイス・デ・リフトとヌサイル・マズラウィが反応。マズラウィがヘディングでゴール前に折り返し、最後はデ・リフトが押し込んでバイエルンが土壇場で追いついたかに見えたが、デ・リフトの位置がオフサイドポジションだったとして副審がフラッグを上げたのを見てシモン・マルチニャク主審はオフサイドを取り、ゴールは認められなかった。

ドイツ紙『Bild』は、この判定についてバイエルンの選手や首脳陣から次々と厳しいコメントが飛び出したことを伝えている。

「あの判定は信じられない。主審は僕らに謝罪したけど、それは僕らにとって手助けにはならない。レアルがいつも主審を味方につけていると言うつもりはないが、今日はあれが勝敗を分けた」(デ・リフト)

「非常に奇妙で疑わしい判定だった。主審はシュートの前に笛を吹いてしまったから、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)が介入することはできなかった。彼は、『あれは自分のミスだった』と言った。全ての人々がドイツ勢同士の決勝を望んでいたが、ポーランド人の主審だけは例外だった」(マックス・エバールSD)

「あの場面は、ケーキの上に教会を落としたようなものだった。大惨事だよ。主審は笛を吹く必要がなかった。ルール違反だ」(トーマス・トゥヘル監督)

また、『Bild』の専属解説員であるトルステン・キンヘーファー氏も問題のシーンについては、「弁解できないミスだ。主審だけでなく、副審の責任がとりわけ大きい。彼はフラッグを上げるのを待たなくてはならなかった」とコメント。オフサイドかどうか微妙な場面にも関わらず即座に判定を下した主審と副審の判断に疑問を呈している。

決勝進出まであと一歩のところまで迫っていたバイエルンにとっては、非常に後味の悪い敗戦となったようだ。