男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:男からのLINEの返信が遅い時「仕事が忙しい」と言われたら、どこまで信じていい?



今年で33歳になる私は、元旦に「年内に結婚相手を見つける」と決めた。

その願いが叶ったのか、年明け早々圭に出会った。

彼とは何度もデートをしているし、お互いの家にも行く仲だ。

でも3ヶ月経ち、私たちは付き合っているのかどうかわからなくなっている。気がつけば2024年もあっという間に5月になっており、焦りだけが募る日々…。

「もっと早く結婚しておけば良かった」

30歳を過ぎて、心からそう思っている。最近言い寄って来るのは既婚者や結婚願望のない男。もしくは、圭のようにハッキリしない男ばかり…。

どうして“適齢期の結婚相手にふさわしい男”とは上手くいかないのだろうか …。


Q1:「結婚願望はある。子どもも欲しい」男の言葉の真意は?


20代の私は、適度にモテていた。24歳から5年間交際していた彼氏もいた。社会人2年目の食事会で出会った彼は、大手弁護士事務所勤務。

でも5年も交際していると、相手の嫌な部分も見えてくるもの。真面目だった彼と一緒にいる時間がだんだんと窮屈になってきて、もっと上を目指したくなったのだ。

「別れるなら早いほうがいい」と思い、29歳になるときに私のほうから別れを切り出した。

今から考えると、この決断をしたことを悔いるのだけれど…。

あれから4年。コロナという想定外の事態を乗り越えられたと思ったら、去年付き合った男性は「独身」と言っていたのに、まさかの既婚者…。

そんな試練を乗り越え、マッチングアプリや食事会を駆使した結果、久しぶりに定期的に会う男性と出会った。

それが圭だった。



女友達3人で飲んだあと、2軒目で連れていってもらったバーで話しかけてきた圭。彼は、友人の友達だったらしいけれど、最初から馴れ馴れしい。

「朋美ちゃんは、どこに住んでるの?」
「私は今学大だよ。圭くんは?」
「僕は中目。今度飲もうよ」

「この人、軽そうだな」とは思った。でも気がつけばすっかり圭のペースに巻き込まれていた私。

連絡先を交換すると、翌日すぐに連絡が来て、翌週にはデートをすることになった。

初デートの日は、私が他の約束で忙しかったので2軒目からの合流となってしまったが、それは仕方ない。

22時半から、恵比寿ガーデンプレイスの横丁にあるバー『1dL』で落ち合った。



自然派ワインの種類も多く、何より立地もよくてお洒落。店内の様子にワクワクしながら、私たちは乾杯する。

するとその途端に、圭はグイッと来た。

「朋美ちゃんはどういう人が好きなの?」
「私は、男らしい人かな。引っ張っていってくれるような人が好き。圭は?」
「僕は面白い子」
「面白い…?」
「一緒にいて刺激になるような子。尊敬できる子が好きで」

圭は、きっとモテると思う。話も面白いし、顔も悪くない。しかも大手企業に勤める34歳…。

― このチャンスを逃したら、次にいつこんな人に会えるかわからない。

そう思い、一生懸命話もテンションも合わせた。すると圭も、喜んでくれている。

「朋美ちゃんって面白いよね」
「そう?」
「うん。頑張ってる姿も素敵だし」

そう褒められ、圭の気持ちが私に傾いているのを感じる。さらに圭は、このデートで素晴らしい情報を私にくれた。

「朋美ちゃんって、結婚願望ある人?」
「もちろん!年齢のこともあるし、今すぐにでも結婚したいと思ってる」
「そうなんだ」
「圭は?結婚願望あるの?」
「俺もめちゃくちゃある。特に最近は、子どもが欲しいなと思って」

この言葉に、私は思わず耳がピクッとなる。

― 34歳で独身というだけでも奇跡なのに、結婚願望もあって、子どもも欲しいなんて!こんな好条件の人、めったにいない。

これは神様が私にくれたチャンスだ。

この後何度か一緒に飲み、気がついた時には圭の家へ泊まる仲になっていた。


Q2:男がハッキリした態度を取らない理由は?


圭とちょくちょく会い始めて、約2ヶ月経った頃。私は、不意に不安にかられる。

― あれ?そういえば、「付き合おう」って言われてないな…。

毎日LINEもするし、1週間に一度は会っている。基本的に圭の家へ行って泊まることが多いのだけれど、他に女性が来ていたり、住んでいたりする痕跡はない。

だから他に女がいる心配はしていない。しかも家に泊まっても、添い寝だけで終わることも多くなっていたので体目当てでもないと思う。

でも、不安になってきた。だからお互いお風呂に入り、圭の家のベッドで二人で寝ながら話している時に私は思い切って聞いてみることにした。

「ねぇ。圭は、いつまでに結婚したいとかあるの?」
「俺はできるだけ早く。本当は、『今年中に結婚する!』って、年始に決めていたんだよね」



圭の言葉に、先ほどまでの不安は吹き飛び、私は運命的な何かすら感じてしまった。

― これって、そういうことだよね?

「そうなの?私もだよ?」
「本当に?一緒じゃん」

これはもう交際云々とかではなく、結婚へ向けて動いてもいいのではないだろうか。

嬉しくて圭のほうへゴロンと体を預けようとした時、彼の発した言葉に、私は「ん?」となった。

「でも俺のほうは年内結婚は叶いそうにないな〜」
「なんで?」
「だって、もうあと半年くらいしかないし」

― これは…どういう意味?

私が隣にいるこの状況で、圭の真意はなんなのだろう。

― これは「まだ時期じゃない」ということ?それとも、「私との結婚は考えられない」ということ…?

この夜、圭が寝息を立てている隣で、私は悶々として寝られなかった。



結局言葉の真意を聞けないまま、圭との関係は3ヶ月目に突入してしまった。

相変わらず連絡も来るし、家にも泊まる。会っていると楽しいし、居心地も良い。それは圭も同じ気持ちのはず。

でも圭から「付き合おう」とは未だに言われていない。もちろん、一度ちゃんと聞いたことがある。

「圭、私たちって付き合ってるの?」

すると、圭は信じられないことを言ってきた。

「どうだろうね」

― 『どうだろう』って…何!?

その時は怒りと呆れで、何も言えなかった。

とは言っても、ここで怒って、圭に会えなくなるのも辛い。

久しぶりに定期的に会っている相手だし、たとえ今付き合っていないとしても、この後、交際に発展して結婚する可能性だってある。

それに、今さらひとりになる勇気なんて私にはない。

だから結局、圭とはダラダラと会い続けている。

しかも周りの元婚活女子たちの中には、こうやってひたすら関係を続けていたら、いつの間にか結婚していた…という話も聞く。

だから今は、結婚というゴールへ向かうための耐える期間だと考えることにした。

でもこの努力の方向性が間違っていないのか心配だし、不安にもなる。

果たして、私はこのまま圭といていいのだろうか?そして圭が結婚してくれる可能性はどれくらいあるのだろうか…?


▶前回:男からのLINEの返信が遅い時「仕事が忙しい」と言われたら、どこまで信じていい?

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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結婚願望があるはずなのに女と付き合わない理由は?