このように、1960年代にドラッカーの指摘したビジネスの未開拓領域である物流にこそ経営資源を活用するチャンスが眠っていて、企業戦略に欠かせないものであることが、証明されてきています。

「暗黒大陸」と呼ばれた物流は、今後、ますます企業成長の鍵として新たな可能性を秘めています。日本や世界の優良企業は、すでに物流を戦略的にとらえ、機能させています。

物流は「コストセンター」ではない

現在、日本や世界の優良企業は、物流を「プロフィットセンター」としてとらえています。「プロフィットセンター」とは、利益とコストを集計し、利益を生み出す部門をいいます。

それに対となるのが「コストセンター」であり、利益は生み出さず、コストが集計される部門です。つまり、優良企業は、物流をコストではなく、利益を追求する部門とみなし、競争優位を築いています。

このように話すと、当然だと考える人もいますが、物流をコストセンターとしてとらえている、あるいはプロフィットセンターに移行したいがどうすればよいかわからないと悩む人も多く、よく相談を受けます。

物流を取り巻く環境は急激に変化しています。コロナ禍によるEC物流の拡大、日本における人口減少、人手不足、自然災害、そして多様化する消費者ニーズによる物流サービスの高度化など、その要因は枚挙にいとまがありません。

物流の重要性は増し、企業の経営活動における物流の位置付けも従来の「コストセンター」だけでなく、同時に「プロフィットセンター」としての位置付けも確立しないといけない時代になりました。

では、プロフィットセンターのポジションを確立するためには、どうすればよいのでしょうか?