アメリカ空軍がこのたび新型爆撃機B-21「レイダー」の試験中の様子を公開しました。公開された画像はごくわずかですが、画像とともに試験を担当する部隊の名称なども明らかになりました。

最先端の第6世代爆撃機、飛行中の様子が明らかに

 アメリカ空軍は2024年5月23日、開発中の次世代爆撃機B-21「レイダー」の新たな画像として飛行中の様子を公開しました。

 B-21はアメリカ空軍が現在、開発を進めている次世代ステルス戦略爆撃機で、開発・生産を担当しているのはノースロップ・グラマンです。外見上は現用のステルス爆撃機B-2「スピリット」に近似した水平翼や垂直尾翼のない全翼機です。

 しかし、レーダーに映りにくい高いステルス性を持っているのはもちろんのこと、さまざまなプラットフォームとの連携が可能なネットワーク化などにも対応しており、その革新的な能力から開発元などでは「世界初の第6世代軍用機」という名称で呼んでいます。

 機体自体は、2022年12月のロールアウト式典で公開済みでしたが、一方でこの機体に関する情報は厳しく制限されており、その能力や機体の詳細については、ほぼ明らかになっていません。

 2023年11月11日に行われた初飛行の際も、国防総省やアメリカ軍から公式の発表は一切なく、そのときの画像や動画もウワサを聞きつけた飛行機ファンらが現地に張り付いて撮影したものでした。

 このように、極めて情報が制限された機体ゆえに、今回の画像公開は貴重なものといえるでしょう。

試験場所と担当部隊も判明

 画像は、機体の飛行試験が行われているカリフォルニア州エドワーズ空軍基地の公式X(旧Twitter)で、まず公開されました(その後アメリカ空軍公式HPでも公開)。画像は飛行中のB-21を並んで飛ぶ別機から空中撮影したものと、エドワーズ空軍基地を離陸する様子、そして夜間ハンガー内に駐機する機体を捉えたもの、この3点のみです。ただ、飛行中の様子が公開されたのは注目に値するでしょう。

 なお、同機の試験を担当する部隊名もこのたび明らかになっています。部隊名は「B-21統合試験部隊」(B-21 Combined Test Force)といい、ここがエドワーズ空軍基地において地上試験、タキシング、飛行の試験を実施しているそうです。

 ちなみに、エドワーズ空軍基地はアメリカの航空機開発にとっては中心的な存在ともいえる場所なので、これまでも多くの軍用機や試作機、テストベッドなどの試験が彼の地で行われています。

 B-21は現在、試験飛行中の1機のほかに、生産中の機体が6機あります。開発計画が順調に進めば、現用のB-1「ランサー」爆撃機とB-2「スピリット」爆撃機は退役する予定です。アメリカ空軍ではB-21を100機調達する計画で、2040年代まで運用するとしています。