ヒョンデの高性能ブランド「N」初のEVモデル「アイオニック5 N」が2024年6月に日本で発売されます。いったいどんなクルマなのでしょうか。

50台限定の「ファーストエディション」も用意 価格は900万円前後

 ヒョンデ・モビリティ・ジャパン(ヒョンデ)は2024年4月25日、新型高性能電気自動車「IONIQ 5 N (アイオニック ファイブ エヌ」の販売を同年6月5日から開始すると発表しました。

 それに先立ち、同年4月25日から5月30日までの期間、限定の特別仕様車「IONIQ 5 N First Edition(ファーストエディション)」の受付を開始します。

 アイオニック5は、2021年2月に世界初公開されたヒョンデ初のEV専用車種で、ヒョンデのサブEVブランド「アイオニック」第1号のモデルです。

 日本でも2022年2月に上陸、ヒョンデは日本市場に12年ぶりに再進出(2001年から2010年まで日本で販売していた当時は「ヒュンダイ」名)しています。

 今回日本での発売が発表されたアイオニック5 Nは、このアイオニック5をベースとしたパフォーマンスモデルで、ヒョンデの高性能ブランド「N」初のEVモデルです。2023年7月に開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023」において世界初公開されました。

  E-GMPプラットフォームを用いたアイオニック5 Nは、WRCなどのモータースポーツで培われた技術を組み合わせています。

 全長4715mm×全幅1940mm×全高1585mm、ホイールベースは3000mmというボディサイズで、専用のブラックトリムパーツやウイングたがリアスポイラーなどを装備しています。そのためノーマルのアイオニックNよりも車高は20mmマイナス、全幅は275/35R21という幅広サイズのタイヤに対応するために50mm幅広になり、さらに全長は専用ディフューザー爽美のため80mm長くなっています。

 搭載モーターはフロントに226馬力のモーター1基、リアに383馬力のモーター1基のデュアルモーター。トータル出力は609馬力で、ブースト時には最大650馬力を発生します。搭載バッテリー容量は84kWhです。

 これらにより、0−100km/h加速は3.4秒(ブースト)、最高速度は260km/hというパフォーマンスを発揮します。

 サーキットでの走行状況に合わせて最適なパフォーマンスを発揮するよう、エネルギーをマネージメントする「N Race」を搭載。短時間で最大パワーを引き出し、最速のラップタイムを実現する「スプリントモード」、エネルギーマネージメントによって、トラックの走行時間を最長化する「エンデュランスモード」を選べます。

 また前後の駆動力配分をドライバーが直接設定できる「Nトルク・ディストリビューション」、ドリフト走行をスムーズに行うための「Nドリフト オプティマイザー」、サーキットなどを走行時、ブレーキペダルとアクセルペダルを同時に操作することを一時的に許容し、左足ブレーキを併用した細かいコントロールが可能になる「レフトフットブレーキング」など、Nブランドを支える3つの柱である◯Corner Rascal(コーナーリングを楽しむ)、◯Race Track Capability(本気でサーキットを走れる性能)、◯Everyday Sportscar(高性能を毎日愉しめる)を具現化しています。

 今回用意されるファーストエディションは、専用パーツの設定だけでなく、注目すべき特典を用意。「Nブランド」の開発舞台であるドイツ・ニュルブルクリンクにて開催されるイベントへの招待やオーナー限定セレモニーなど、ハイパフォーマンスカーとしてエモーショナルな走りを愉しめるさまざまな特典が提供されます。

 新型アイオニック5 Nの消費税込みの予定価格帯は900万円前後です。なお、ファーストエディションは50台限定のモデルとなり、車両価格も同等となっています。