ポルシェは次世代の「ポルシェ911」である992.2型の発表を2024年5月29日に行いました。今回のモデルは他社にはないハイブリッドシステムにSNSでも注目が集まっています。

新たな“ハイブリッド911”は0-100km/h加速3.0秒、最高速度は312km/h

 ポルシェはアイコンともいえる「911」のマイナーチェンジモデルである、992.2型の発表を2024年5月29日におこないました。

 ポルシェの代表作でもある911の誕生は1963年に誕生した「901型」までさかのぼります。

 初代で採用された丸めのヘッドライトやRRレイアウトを象徴するテール処理などのデザインは、登場から61年経った今もなお引き継がれています。

 そして911といえば低重心で耐久性に優れた、水平対向6気筒エンジンが伝統となっており、独特のサウンドやドライブフィールは多くのポルシェファンを虜にしました。

 さらにエンジンの水冷化やマニュアルシフトを廃止にするなど改良を加えた911は、2018年に現行モデルである「992型」に生まれ変わります。

 そして、今回のマイナーチェンジで992型から992.2型ともいえる大型アップデートを果たしました。

ポルシェ新型「911カレラGTS」のドライブトレイン

 エクステリアは小変更にとどまり、4灯グラフィックのLEDヘッドライトやフロントバンパーの左右には「カレラGTS」のみ開閉式の縦型のエアフラップが設置されました。

 ほかにもテールライトのデザイン変更や、カレラGTSのみ左右4本出しからセンターマフラーに変更となりました。

 そして、今回最大のトピックは、911では初となるハイブリッドシステムの採用。

 ハイブリッド搭載グレードはカレラGTSのみで、通常のカレラは前期モデルでGTSに搭載されていた3リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンが代わりに採用されました。

 さらに今回のハイブリッドは通常のものとは異なり「T-ハイブリッドシステム」と名付けられ、主にタービンの駆動用にモーターを使用します。

 これにより、エンジンの回転数にかかわらず、瞬時にタービンを駆動しブースト圧を上げられます。

 また、モーターは排気流からのエネルギーを電気に変換する回生モードにも対応しており、最大で11kW(15ps)の電力を発生可能です。

 ハイブリッド化による重量増が懸念点ですが、レーシングカーに近いスーパースポーツの911ではバッテリーによる重量はわずか27kgで、ここはさすがのポルシェといえるでしょう。

 今回ハイブリッド化されたカレラGTSのシステム最高出力は541ps、システム最大トルクは610Nmを発揮し、ピークパワーの拡大はもちろんですが、低速からの強烈な加速に特化しています。

 それを裏付けるかのように、メーカー公表値で0-100km/h加速は3.0秒、最高速度は312kmという驚異的な数値が物語っています。

ポルシェの革新的なハイブリッドにSNSでも話題騒然

 このような劇的な高出力化を達成した新型911ですが、SNS上でも大きな賑わいをみせています。

1963年に登場したポルシェ初代「911」(901型)

 SNS上では「カレラでなくGTSをハイブリッドにしたのはポルシェの良心」や「ハイブリッド化したポルシェ911について調べてみるとカッコ良過ぎてたまらん」など、ハイブリッド化されたポルシェに対して高評価の声が多数寄せれていました。

 ほかにも「システム載せて50kg増で済ましてるのは素直に凄い」や「スポーツカーは、走りとフィーリング、デザインがすべて。電動化してもこれらがクリアされていれば問題ないと思います」など、ハイテクが進むスポーツカー界隈に対して激励のコメントも寄せられていました。

 一方で「個人的にはバンパーのエラが生理的にダメだなぁ」や「ボタン式スターターとフル液晶インパネは、ちょっと911には合わないんじゃないかなと思った」など、ポルシェらしさが失われていくことに危惧するコメントもありました。

 ほかにも「乗り出し3000万円くらいになるんだろうなぁ、これは買えない」や「良さそうだけど、昔乗ってた頃の値段2倍、ちょっと無理したらなんとか乗れる域を超えちゃってます」など、急騰する価格に嘆きのコメントも寄せられていました。

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 今回の発表で価格は、カレラが1694万円から1943万円、GTSが2254万円から2615万円(いずれも税込)で、すでに予約受注が開始されています。