トラックの安全装備もここまできたか! UDトラックスの「新コンドル」がスゴイ

この記事をまとめると

■UDトラックスの中型トラックに「コンドル」というモデルがある

■UDトラックス・コンドルは2024年1月にフルモデルチェンジを実施した

■新型コンドルの安全装備について解説する

コンドルがフルモデルチェンジ!

 トラックは大きさによって、大型・中型・小型などというように分類される。道路法・道路運送車両法・道路交通法・高速道路料金区分などにより、そのわけ方はまちまちだ。トラックメーカーでは積載量が基準となっており、これがトラック・物流業界内では一般的な区分になっているようである。この場合、中型トラックは最大積載量が3トンを超えて6.5トン以下、車両総重量は5トンを超えて11トン以下とされる。

 中型トラックは大型トラックよりも積載量の点で劣るが、小まわりが利いて運転がしやすく、長距離輸送にも耐えられるというメリットがある。車両価格が抑えられるので、大型トラックほど大量に輸送する必要がないのであれば、経済的かつ利便性の高い車種だといえよう。また、最大積載量2トン以上4.5トン未満、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満であれば、準中型免許で運転が可能なので18歳からドライバーとして活躍できる。すなわち、トラックドライバー不足を補うことも期待されている車種なのだ。

 こういった状況を受けて、UDトラックスから中型トラック「コンドル」がフルモデルチェンジをして登場した。同車は1975年に製造を開始して以来、半世紀近い歴史を持つ信頼感の高いトラックだ。今回発売されたのは6代目にあたる。現在、同社の小型トラックは「ガゼット」という車名だが、かつては「コンドル」の車名で小型トラックもラインアップしていた。

 新「コンドル」は、内外装を一新している。エクステリアではシャープなデザインのグリルに、LEDヘッドランプ・オートライト・ステップカバーといったパーツを標準装備した。インテリアは先代が持つクリーンなイメージを継承し、広くなったキャビン内部に数多くの収納スペースを用意。インストゥルメントパネルには、7インチカラーの液晶ディスプレイを装備し、車両コンディションの情報などを表示する。これらのデザインは、昨年先行してフルモデルチェンジをした「ガゼット」に寄せることで、共通性をもたせているのだ。

安全装備がすごい!

 とくに注目するべきは、最新の安全装備だ。交差点進入時や車両直前の危険に対する警報機能に加えて、車両の左側にいる自転車などを検知し、対象が巻き込まれる可能性がある場合に警報を発する側方衝突警報装置(BSIS:Blind Spot Information System)を搭載した。

 また、インストルメンタルパネル中央に設置したカメラで、ドライバーの状態(瞼や目の状態・視線・顔の向きや位置など)をモニターし(DSM:ドライバーステータスモニター)、不注意運転・漫然運転・わき見・居眠り・ながら運転などを判断。危険を察知したら、音・警告表示・エアコンの冷気などで注意を喚起するのだ。万一、ドライバーが運転不能などの状態に陥ったと判断した場合は、ドライバーがスイッチ操作することで、システムが安全に車両を停止させることもできる。

 スイッチが押されない場合でも、DSMや車線逸脱警報装置(LDWS)によりシステムが自動的に作動して、徐々に車両の速度を落として停止させる。このほかにも、カメラで道路標識を検知することで、ドライバーが見落とすなどして規制に従っていない場合は、音や表示で警告する。制限速度標識の場合は、リミッターによる速度調整機能もついている。

 新「コンドル」は、いすゞ自動車からOEM(相手先ブランド製造)で供給されており、「フォワード」をベースに作られたトラックだ。近年、自動車メーカーはOEMを積極的にとり入れる傾向にあり、いわゆる兄弟車が増加している。それぞれのメーカーが最新の技術を提供し合うことで、より安全性・利便性・経済性・環境性などに優れたクルマが、生まれてくるようになったわけだ。