新たな〝登場人物〟が明らかとなった。米連邦検察は8日(日本時間9日)に、水原一平容疑者が銀行詐欺などの容疑を認め有罪答弁の司法取引が成立したと発表。同容疑者は、違法賭博のために大谷の口座から約1700万ドル(約26億4000万円)を不正送金したことを認めた。

 大きな話題を呼んだ「一平事件」は徐々に収束に向かっているが、全容が明るみに出るにつれて、新情報も判明してきた。現地メディア「ESPN」のティシャ・トンプソン記者によると、水原容疑者が大谷の口座から盗んだ大金は意外な人物に送られていたという。その人物とは、米国で人気のリアリティテレビ番組「The Real Housewives」のスター出演者であるライアン・ボヤジアン氏だ。

 ボヤジアン氏とは一体何者なのか。トンプソン記者は同氏の素顔として、テレビで見せる表の顔とは別に違法ブックメーカーの関係者マシュー・ボウヤー容疑者の同僚であることを報告。ただ、ボウヤー容疑者と水原容疑者の間ではボヤジアン氏の名前は使われずに「アソシエイト1」(訳・同僚その1)という仮称が用いられ、借金の返済の際には「『アソシエイト1』に送金するように」との指示がなされていたという。

 また、ボヤジアン氏はボウヤー容疑者の不動産プロジェクトのための口座運営を任されていた重役の1人であることも明かされた。ボウヤー容疑者と密接な関係にあるボヤジアン氏は一連のギャンブル騒動でいまだいずれの容疑もかけられていないというが、トンプソン記者は「ボヤジアン氏の刑事弁護士は『依頼人は当局の捜査に協力している』と語った。情報筋によればボヤジアン氏は証言と引き換えに免責を得ている」とも伝えた。