文●ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。※中古車参考価格はすべてグーネット2024年4月調べ。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年6月号「旅特集/気の向くまま、思いっきり走りたい[わがまま旅]」記事の内容です)

クルマが最も活躍するシーンといえば遠くへ旅行に行くときだろう。今回は、家族や友人みんなを乗せて走れるオススメの「旅車」をパワートレイン別に紹介しよう。

[DIESEL]ロングドライブならディーゼルが強い

メルセデス・ベンツ G 350 d(W463)/多目的に使える本格派オフローダー

 旅車として最初にピックアップしたのはメルセデス・ベンツ Gクラス。2018年にモデルチェンジを受けてW463Aに進化したが、今回取り上げるのは改良前のシリーズである。その魅力はなんといっても、あらゆるシーンを走れる高い走破性。海や山はもちろん、意外とオンロードでも快適性は高い。ガラスエリアが大きく、車内は明るくて視界は良好。内外装の質感も高く、このあたりはさすがメルセデスといえるもの。

 パワートレインはガソリン、ディーゼルともに選べるが、現在中古車市場の主流となっているのがディーゼルの「G 350 d」。価格帯は360万円が下限で、高年式の車両は1500万円に近い。ただし物件豊富で、予算に応じて選べる。

直線的なボディラインは、古き良きメルセデスの味わいを残している。全長4575mm、全幅1860mm、全高1970mmのサイズは意外とコンパクト。車両感覚が掴みやすく、運転初心者でも乗りやすい。
フロントガラスとサイドウインドウ面積が大きく、見晴らしのよい視界が特徴。設計は古いものの時代に合わせた改良が重ねられ、内装の質感は高い。後部座席や荷室も広く、旅行でも心強い。

中古車参考価格帯:360万円〜1400万円(94年〜19年 G 350 dのみ)
燃費データ:10.3km/L(G 350 d)※測定モード:JC08モード

プジョー 5008/3列シートが便利なクロスオーバー

 「旅車」では3列シートがあると便利。多人数乗車はもちろん、シートをたたむことで広い荷室も確保できる。プジョー5008ではディーゼル車も設定され、パワフルな走りも楽しめる。中古車価格帯は200万円からとなっており、手頃な価格で入手可能だ。

中古車参考価格帯:200万円〜370万円(17年〜20年 ディーゼル搭載車のみ)
燃費データ:16.6km/L(GT ブルーHDi)※測定モード:WLTCモード

BMW X3 M40d/ハイパフォーマンス×ディーゼル

 X3に設定されるM40dは、高性能ディーゼルエンジンを搭載。326馬力(後の改良で340馬力)の直6ディーゼルターボに8速ATを組み合わせている。中古車物件も比較的豊富に流通しており、高性能モデルながら400万円台の予算でねらえる。

中古車参考価格帯:360万円〜800万円(18年〜24年 M40dのみ)
燃費データ:13.8km/L(M40d)※測定モード:WLTCモード

メルセデス・ベンツ GLC 220 d 4マチック(先代)/快適な走りを約束するミドルクラスSUV

 メルセデスのミドルクラスSUVといえばGLC。そのディーゼルモデルが「GLC 220 d 4MATIC」である。手頃なサイズのボディにゆとりある室内、そしてパワフルな加速はツーリングにぴったり。中古車物件も充実しており、200万円台の物件も目立ってきた。

中古車参考価格帯:250万円〜750万円(17年〜23年 GLC 220 d)
燃費データ:15.1km/L(GLC 220 d 4MATIC)※測定モード:WLTCモード

[PHEV]長距離も安心のプラグインハイブリッド

BMW 530e/価格が下がってねらい目の530e

 PHEVは、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドカーのひとつで、外部充電が可能なモデルを指す。電気のみで走行可能なほか、発電可能なエンジンも備えているので、BEV(電気自動車)よりも航続距離が長いのが特徴である。

 ここ最近は国内外問わずPHEVが増えており、多くのメーカーがラインアップに加えている。特にメルセデスやBMWなどのプレミアムブランドはPHEVの開発に積極的。今回紹介するBMW 530eは、2L直4ターボを搭載し、電気のみで54kmを走行可能。BMWらしい走りの楽しさも健在で、旅の心強い味方。PHEVのなかでは物件数も多く、前期型なら低予算で購入可能だ。

撮影車は2020年にマイナーチェンジを受けた後期型。内外装の仕様が変更されている。パワートレインは184馬力のエンジンと75馬力のモーターを組み合わせ、電気のみでの走行も可能だ。

中古車参考価格帯:230万円〜650万円(17年〜23年 530eのみ)
EV走行換算距離:54km/L(530e)※測定モード:WLTCモード

メルセデス・ベンツ GLC 350 e 4マチック(先代)/日常でも大活躍のPHEV

 ミドルクラスSUVのGLCにもPHEVが設定されている。使い勝手はガソリン車と変わらないが、長距離走行はより快適。中古車は物件が少ないが、新車からの値落ち幅が大きい。

中古車参考価格帯:590万円〜780万円(16年〜23年 GLC 350 e 4MATICのみ)
EV走行換算距離:30.1km(GLC 350 e 4MATIC)※測定モード:JC08モード

BMW 740e/745e(先代)/値下がりの幅が大きいセダン

 7シリーズのPHEVは、前期型(740e)と後期型(745e)が存在する。いずれも新車時の半額以下で購入可能で、値下がり幅が大きいのが魅力。静粛性と走りの楽しさが共存した1台だ。

中古車参考価格帯:280万円〜700万円(16年〜22年 740eのみ)
EV走行換算距離:42.0km(740e iパフォーマンス)※測定モード:JC08モード

[BEV]新たな走行感覚を持つ電気自動車

アウディ e-tron/これからのアウディを担う新時代SUV

 これまでBEV(バッテリー電気自動車)といえば、近所に買い物を行くために使うというイメージがあった。バッテリー容量が小さく、長距離走行が難しかったのが理由。しかし、最近のBEVは大容量バッテリーを搭載し、ロングドライブの旅車として使えるものが増えている。

 今回紹介するアウディ eトロンは、全長4900mmのラージサイズSUV。ボディタイプはスタンダードなSUVとクーペ調のスポーツバックが設定される。総電力量71 kWhのリチウムイオン電池に、230kWのモーターを組み合わせ、316kmの一充電航続距離を誇る。中古車物件は少しずつ増えており、値下がりの幅も大きいのでねらい目だ。

4WDによる走行安定性はアウディならでは。BEVながらも旅車として申し分ない完成度だ。

中古車参考価格帯:450万円〜970万円(21年〜24年 スポーツバックも含む)
一充電走行距離:316km(50クワトロ)※測定モード:WLTCモード

ジャガー Iペイス/未来のEVスポーツカー

 ジャガー初のBEVがIペイス。その特徴はなんといってもスポーティな走りで、ワンメイクレース車両にも使われた。中古車相場は下がっており、300万円台の予算からねらえる。

中古車参考価格帯:360万円〜810万円(18年〜24年 全グレード)
一充電走行距離:438km(400PS)※測定モード:WLTCモード

BMW i3/相場が底値で買いやすい

 コンパクトモデルのBMW i3は、登場から10年が経過して相場がかなり下がっている。100万円台の物件も多く、購入の敷居が低い。輸入車BEVのなかでは小型で扱いやすいのも魅力だ。

中古車参考価格帯:100万円〜350万円(14年〜22年 全グレード)
一充電走行距離:295km(アトリエ ※2022年モデル)※測定モード:WLTCモード

著者:グーネットマガジン編集部