Ann Saphir Howard Schneider

[ニューオーリンズ 10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者の間で、現在の金利水準はインフレ抑制に十分か検証が続く中、10日に発表された経済指標で消費者のインフレ期待の上昇が示されたことで、議論が一段と活性化する可能性がある。

ミシガン大学が発表した5月の消費者信頼感指数(速報値)は生活費の上昇と失業に対する懸念が重しになり6カ月ぶりの低水準に落ち込んだほか、1年先と5年先の期待インフレ率が共に上昇した。

こうした中、ダラス地区連銀のローガン総裁は、FRBの政策金利は現在、インフレ率の2%目標回帰に向けて十分制約的であるかは不明で、利下げは時期尚早と指摘。インフレ率は今後数年間で2%に戻るとみられるが、インフレ上昇リスクも懸念しているとし「政策がどの程度制約的か、この軌道を維持するのに十分かという点でも不確実性がある」と述べた。

アトランタ地区連銀のボスティック総裁はこの日、ロイターのインタビューで、インフレ率の低下が緩やかであってもFRBは年内に利下げする公算が大きいと予想。ただ、利下げの時期と幅は不透明とした。

シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、FRBの金融政策は「比較的引き締め的」とし、このことは借入コストがインフレに対する下押し圧力になっていることを意味すると指摘。第1・四半期のインフレ率が予想を上回ったことについて、昨年に物価情勢を巡り大幅な進展があったことを踏まえると、過度に重視するのはためらわれると述べた。